近年、カップヌードルシリーズの中でも「世界のカップヌードル」ラインは、各国の代表的な料理を手軽に楽しめる企画として人気を集めている。その中でも、タイの定番スープ「トムヤムクン」をモチーフとした本品は、発売当初から根強いファンが多い。今回は「パクチー香るトムヤムクン」を実際に食べ、その魅力を確かめてみた。

鮮烈な香り
フタを開けた瞬間に、まず感じるのは独特の香草の香りである。乾燥パクチーの量は控えめながら、その存在感は強く、湯を注いだ直後から一気に広がる。スープの色は鮮やかなオレンジで、エスニックな酸味を予感させる。具材にはエビ、パクチー、そしてレモングラス風味のスープベースが調和しており、見た目からも「世界の味」を演出している。

旨辛と酸味の絶妙なバランス
味の中心はやはりトムヤムクン特有の「酸っぱ辛い」バランスにある。酸味はライム系でやや強めだが、カップ麺としては驚くほど自然にまとまっている。辛味も控えめながらジワリと効くタイプで、食べ進めるごとにクセになる味だ。特筆すべきは、パクチーの香りがスープ全体を包み込み、東南アジアの屋台で食べるような雰囲気を再現している点である。苦手な人には少々強烈だが、好きな人にはたまらない一杯である。
麺と具材の一体感
麺は標準的なカップヌードルの細めの油揚げ麺で、スープの濃い味に負けない弾力を持つ。スープをしっかり絡め取りながらも重すぎず、最後まで飽きずに食べられる。具材のエビは小ぶりながらも香ばしく、マッシュルームが酸味をやわらげる良い役割を果たしている。全体として軽快で、ランチや夜食にも向くバランスだ。
まとめ
「世界のカップヌードル パクチー香るトムヤムクン」は、手軽さの中に本格的なエスニックの香りを閉じ込めた意欲作である。パクチーが苦手な人にはハードルが高いが、好きな人にとってはこれ以上ない満足感を得られるだろう。酸味、辛味、香草が三位一体となったスープは、他のカップ麺では味わえない個性を放っている。まさに“世界の味をお湯だけで楽しめる”一杯である。
