富士フイルムのXシリーズの中でも、特にコンパクトでミニマルな存在感を放つ「X-E4」。発売当初から「レンジファインダースタイルの軽快なカメラ」として注目され、フィルムカメラを思わせる佇まいと、富士フイルムならではの色表現が高く評価されている。私も大学生の頃、10万円給付金で購入した。本記事では、実際に使用してみて感じたX-E4の魅力と弱点を、スナップ撮影を中心とした観点からレビューしていく。

デザインと操作性
X-E4の外観は、徹底してミニマルである。背面のボタン数を極限まで減らし、フラットなボディラインに仕上げられている。前モデルのX-E3に比べ、グリップも省略されており、潔いまでのデザイン哲学が感じられる。ただし、これによりホールド感にはやや不安が残るため、別売のグリップアクセサリとの併用が推奨される。が、私は使用していない。(ごめんなさい)
重量はバッテリーとSDカードを含めて約364gと軽量で、常に持ち歩いても苦にならない。スナップシューターとしての携行性は非常に高い。
操作系は、上部のシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルに加え、背面にはジョイスティックのみというシンプルな構成。しかし、富士フイルムらしいカスタマイズ性の高さにより、自分好みに操作感を整えることができる点も評価したい。

画質と色再現
X-E4には、Xシリーズの上位モデルと同じ「X-Trans CMOS 4」センサーと「X-Processor 4」が搭載されており、画質は非常に優秀である。解像感、ダイナミックレンジともに文句なく、JPEG撮って出しでも十分に作品として成立する。
特に注目したいのは、富士フイルムならではの「フィルムシミュレーション」機能。クラシックネガやエテルナ、アクロスなど、多彩なシミュレーションが用意されており、撮影時点で完成された世界観を表現できる。RAW現像を必要としない点も、スナップシューターとしての価値を高めている。

弱点と注意点
もちろん、X-E4にも欠点はある。まず、ボディ内手ブレ補正(IBIS)は非搭載である。手ブレ補正が必要な場合は、OIS対応のレンズを使用する必要がある。また、ファインダーは固定式で、チルトなどの柔軟性はない。チルト液晶は搭載されているが、Vlog用途での自撮りには不向きである。
また、メカシャッターの上限が1/4000秒である点も注意が必要だ。日中の開放撮影ではNDフィルターが欲しくなる場面もあるだろう。加えて、バッテリー持ちはそこまで良好とは言えずないが、1日分は保つため、予備バッテリー等は必要ないだろう。

おすすめの使用シーンとレンズ構成
X-E4の軽快さを活かすなら、コンパクトな単焦点レンズとの組み合わせが最も相性が良い。特に、XF27mmF2.8 R WRとの組み合わせは“ボディキャップレンズ”とも呼ばれるほど薄型で、ジャケットのポケットに入れて持ち運ぶことも可能である。
X-E4は、「レンズ選びによって性格が変わるカメラ」である。日常の一瞬を切り取るスナップ用、風景重視の旅行用、あるいは動画撮影まで、ユーザーの目的に応じてレンズを使い分けることで、この小さなボディが持つポテンシャルを最大限に引き出せる。
まとめ
X-E4は、スナップ撮影における「機動力」と「画質」のバランスを非常に高い次元で両立している。操作性とデザインの美しさ、そして富士フイルムらしい色表現。このカメラには、スペック表には現れない“使って楽しい”という魅力が詰まっている。
プロ用途での万能性には欠けるものの、写真を「撮ること」そのものを楽しみたいユーザーにとって、X-E4は非常に魅力的な選択肢となるだろう。とりわけ、ストリートスナップや旅先での撮影を愛する者にとっては、唯一無二のパートナーとなり得る存在である。
注:この記事にはアフィリエイト広告を含みます。


アクセサリー
ネックストラップにはobjcts.ioのものを使用しています。
作例







