先日購入した香久山鞄のトートバックの出来が予想以上によかったため、また香久山鞄にてバックパックを購入した。実際に日常のなかで使用してきた感触を元に、本製品の魅力と気になった点をレビューしていく。このバックパックは、一見シンプルで控えめな外見ながら、細部にまでこだわり抜かれたデザインと、日常使いにおける機能性が高い次元で融合した逸品である。奈良発のレザーブランドである香久山鞄ならではの丁寧なものづくりの姿勢が随所に感じられる。

革の質感と仕立ての美しさ
素材には上質な革が用いられており、使い始めから柔らかさとコシのある感触が手に馴染む。表面はマットな仕上がりで、光の当たり方によってわずかに表情を変えるため、シンプルなデザインながら飽きがこない。縫製は非常に丁寧で、糸目の乱れや革の歪みといった粗は見当たらない。日本製らしい精緻な仕事が、製品全体に品格を与えている。

機能性
15.6インチのノートPCが余裕で収まる構造で、ビジネス用途にも十分対応する。また、サイドファスナーやメインポケットの開口部が広く、物の出し入れが非常にしやすいのも特長である。内部には小分けポケットが複数あり、ケーブルや筆記具、財布なども整理して収納できる。しかし、背面はメッシュ加工等はされておらず、夏場には蒸れやすいため、実用性においてはマイナスポイントである。また、マチが無いため、自立しない点もマイナスポイントである。

デザイン
バックパックでありながら、どこか「和」の気配を感じさせるデザインが特徴的である。装飾を極力排し、曲線と直線が調和したシルエットは、スーツスタイルにもカジュアルにも自然に溶け込む。カラー展開も控えめで落ち着いた色味が多く、大人のライフスタイルにふさわしい佇まいを見せる。余計な主張をしないことで、持つ人の個性を引き立てるタイプの鞄である。
まとめ
香久山鞄のこのバックパックは、「長く使える上質な日常鞄」を探している人に強く勧めたいモデルである。素材、縫製、機能性、デザイン──いずれの面においても高水準でまとまっており、和の精神を受け継ぐ現代的なプロダクトとして高く評価できる。バックパックという実用品において、ここまで丁寧なものづくりを感じられる製品は稀である。日常に品と静かな誇りを添えたい人にこそ、手に取ってほしい。
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