ロジクールの「MX ERGO S」は、トラックボールマウスの中でも定評のあるモデルだ。筆者も長らく普通のマウスを使ってきたが、噂の腱鞘炎予防と作業効率の向上を目的にトラックボールへの移行を決断し、このモデルを選んだ。結果として、3ヶ月経った今では、もう従来のマウスには戻れないと感じている。

操作性と慣れ
最初の数日はやや戸惑った。親指でボールを操作するという感覚に違和感があり、カーソルの動きも思い通りにならなかった。しかし、1週間ほどで操作に慣れ、疲労の少なさを実感するようになった。トラックボールならではの「腕を動かさない」操作は、肩や肘への負担が非常に少ない。特に長時間の作業を日常とするユーザーには大きな利点である。ことに、慣れの問題は新しい眼鏡への慣れの問題と似ていると感じた。

カスタマイズ性
MX ERGO Sは、Logicool Optionsという専用ソフトウェアでボタンの割り当てやスクロールの挙動を自在にカスタマイズできる。筆者は戻る/進むボタンをアプリケーションごとに変えるように設定し、作業効率を高めている。また、ボールの動きの速度(カーソルスピード)も2段階で切り替え可能なため、精密作業と通常作業の切り替えが容易だ。だが、流石に東方Projectの作品のような精緻な動きが求められるゲームには向かないと感じた。
完成度
ビルドクオリティは高く、マットな質感の本体は手に馴染みやすい。ヒンジ構造により角度を0度と20度で切り替えられる点も特筆に値する。これにより、手首を自然な角度に保ちやすく、よりリラックスした姿勢で作業ができる。また、バッテリーは1回のフル充電で1ヶ月以上もつため、電池切れに悩まされることはほとんどない。
まとめ
MX ERGO Sは、トラックボール初心者でも十分に扱える設計と、日常使いに耐えうる完成度を兼ね備えている。3ヶ月の使用を通して、作業効率の向上と身体への負担軽減を実感できた。確かに、普通のマウスとは操作感が大きく異なるため、慣れるまでに時間は必要だ。しかし、そのハードルを越えた先にある快適さは、一度体験すれば手放せなくなるはずだ。
肩や手首の疲れが気になる方、作業効率を見直したい方には、ぜひ一度試してみてほしい一台である。
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