ソニーが誇る完全ワイヤレスイヤホンの最新作「WF-1000XM5」は、同社のノイズキャンセリング技術をさらに進化させたフラッグシップモデルである。前作「WF-1000XM4」でも高く評価されていた静寂性能と音質は、本モデルにおいてさらに洗練された。今回は、筆者が実際に数週間使用してみた感想をまとめる。

スペック
発売年:2023年
ノイズキャンセリング:ANC搭載
コーデック:SBC、AAC、LDAC、LC3
Bluetoothバージョン:5.3
バッテリー:最大8時間(NCオン)、最大12時間(NCオフ)、ケース併用時最大24時間(NCオン)
充電:USB Type-C/ワイヤレス充電(Qi対応)
充電端子:USB-C
デザインと装着感
WF-1000XM5は前作よりも小型化され、装着時の圧迫感が著しく軽減されている。質量も片耳約5.9gと軽く、長時間使用しても疲れにくい。耳にフィットする形状は非常に自然で、安定性も高い。素材も肌あたりの良いマット仕上げであり、装着感への配慮が細部に至るまで感じられる。
ノイズキャンセリング性能
ソニー独自開発の新型プロセッサー「Integrated Processor V2」と「HDノイズキャンセリングプロセッサーQN2e」の2つのチップによって、ノイズキャンセリングの精度が飛躍的に向上している。特に航空機内や通勤電車のような低周波ノイズをほぼ完全に遮断し、まるで耳に結界を張ったような(厨二病)感覚が得られる。
音質
新開発の「ダイナミックドライバーX」により、低音の深みと高音の伸びがさらに強化された。LDAC対応によるハイレゾ音源再生も魅力であり、特にヴォーカル帯域の描写力は圧巻である。DSEE Extremeによるアップスケーリング機能も健在で、ストリーミング音源でも十分にリッチな音を楽しめる。
操作性とアプリ連携
タッチ操作の感度やレスポンスも改善されており、音量調整やノイズキャンセル切り替えなどがスムーズに行える。また、アプリ「Sony Headphones Connect」を使えば、イコライザー設定やスピーク・トゥ・チャット機能などの細かい調整も可能だ。
まとめ
WF-1000XM5は、ノイズキャンセリングと音質の両面において市場最高水準の実力を誇るモデルである。日常の音楽鑑賞はもちろん、通話やリモートワークといった多目的用途にも対応できる万能性を備えている。価格に見合う価値があり、真の「音の没入体験」を求める人には間違いなくおすすめできる一台だ。